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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎



え? 何て言ってるんだろう……。
右耳を彼女の口元に持っていくと、そこから聞こえて来たのは。


「ん、たんじろー…、もっと…くち、づけ、しよー……」


!!!!!
な、な、な、何だと!!!
ボワっと急上昇する体の熱と一緒にむくむくと性欲も上昇するけど……これはおさえなきゃな。だって朝だから。


部屋の壁掛け時計の時刻は午前六時を回った所だ。
静かな部屋には秒針がカチ、カチと進む音と隣ですやすやと寝息を立てる七瀬の呼吸だけが響いている。


目覚めの口付け、なんて物があるって善逸言ってたな。
横には昨晩たくさん触れ合った彼女の唇がある。桃色に色づいているそこは今朝もぷっくりと瑞々しい。


「七瀬、朝だぞ。起きよう」

「んー…んぅ」


恋人の左頬をそっと包んで、啄む口付けを二回程贈った。
離す直前に尖った舌で唇全体を舐めると、ビクッと七瀬の体が震えて、唇からはあ…と艶めいた息が漏れる。


ゆっくりと開く両の瞼。そこから覗くのはぱっちりとした、やや栗色ががった瞳だ。


「おはようー……朝から好きな人の顔が見れるなんて、幸せすぎるよ」


やや掠れ気味の声は、昨晩の情事のせいもあるのかな。
「おはよう」ともう一度彼女に声をかけた俺は、七瀬に再度触れるだけの口付けを贈る。


「昨日の雨なんてなかったように、朝から晴れてるぞ。今日も暑そうだ」

「うー、そっか…夏は好きだけど、朝から暑いのはちょっと勘弁だなあ」


両腕を真上に思い切り伸ばした七瀬は、朝食を食べに行こうかと俺に声をかけながら、口付けを一つくれた。


「梅雨明けも、もうすぐかな? いよいよ本格的に夏が始まるねー」

「そうだな」


ゆっくり起き上がった彼女は東側の障子を開け、眩しい……! と悲鳴を可愛くあげた。

始まりの夏、か。
どんな季節になるのだろう。
どんな表情を君は見せてくれるのだろう。


俺は背中から彼女を抱きしめて、また一つ七瀬の唇に口付けを贈った。



君が隣にいるだけで。
それは夏でなくても、きっとずっと輝く季節になる。


















〜炭治郎の誕生日をお祝い〜
終わり


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