恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎
「はあ、七瀬、すごく…なか…気持ち…い」
「うん、私、も……あっ! おな、じ…!」
パン、パン、パン、と変わらずに肌と肌が打ち付けられる音と並行して、水が鳴るような音も結合部から溢れている。
これ、いつまで……続ければ、良いんだ??
七瀬のなかが良過ぎて、意識が飛んでしまいそうなんだが。
「んっ、はあ……やん! はあ、たんじろ…」
「ああっ、ん………」
きゅっと絡められていた両手同士が、より一層絡む。
律動が速く、速く、熱く、熱く。
打ち付けられる体同士の音が一際卑猥な物になったその時 ——
脳天に響く、今まで感じた事がない快感。
濁流が勢いよく流れるように、下腹部から駆け上がって来た。
まずっ、早く抜かない、と……!
「んぅ、や……」
「は、あぁっ!!」
びゅっ…びゅっ…びゅっ……と自分の昂りから飛び出したのは白く粘りがある液体だった。
それが真下にいる七瀬の腹部に付着する。
「はあ……、はあ……」
彼女と絡めていた手をゆっくりと外し、額の汗を手の甲で拭うとそこには思った以上の水滴が付いた。
「たん、じろ…」
「あ、ああ。どうし、…はあ、た?」
互いの息遣いが荒い。
七瀬の顔にも、たくさん水滴がついていた。
「うん、あのね……凄く、気持ち…はっ、良かった、よ」
ズン、と胸に響く恋人からの言葉だった。
紅潮した頬に、とろんとした二つの瞳。口元に弧を描いた七瀬は今夜……いや、違う。今まで見た中で一番の可愛さだった。
「あれ? 俺、何で泣いて……」
気づけば自分の両の目尻から垂れていたのは、涙だ。
「ふふ、泣く程良かった? 嬉しいな」
「えっ、あ……」
“うん “
頷きと一緒に贈ったのは、小さな小さな口付けだ。