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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎



ピカッと部屋に差し込んでくる明るい光。それから数秒の間を置き、ドーン!! と耳をつんざくような雷鳴が轟いた。


「わっ、嫌だー! 雷嫌いなんだよね……」


ビクッと華奢な体がすぐ横で震える。
「雨戸も閉めて良い?」の問いかけに自分も手伝うよと応え、二人で雨戸を閉めた。


「ありがとう、音も怖いんだけどあの光がダメでね。あれ、どうしたの? もしかして炭治郎も雷ダメ?」


雷に後押しされるなんておかしいと思うけど、自分の中でこれまで秘めていた感情が溢れ出た。


「俺、七瀬の事が好きだ! 君に好きな人がいるのはわかってるんだけど、どうしても伝えたかったからこうして……」

「ちょ、ちょっと待ってよ。私に好きな人がいるってどうしてわかったの……」

「時透くんだろ、七瀬の好きな人。師範と継子としてはもちろん、それ以外でも仲良いみたいだし。でも俺は君が……」


「待って! 待って! 私の好きな人、無一郎くんじゃないよ」

「えっ……?」


時透くんじゃない? だったら誰なんだ?? 善逸か伊之助……いや、もしかして村田さんか?
一般隊士の中で慕っている女子が、かなり多いと聞いた事があるぞ。

あっけに取られつつも、脳内は忙しない。次々に可能性がある人物の顔が思い浮かんでは消えている。


「あの、その……今私を好きだって、言ってくれた人がね? その、」


“私も好きなんだ “


—— 青天の霹靂 ——

これ以上今の状況を表す言葉はないんじゃないか。もう見えなくしたけど、雨戸の外では雨音に混じって雷の音がゴロゴロと鳴る音が、部屋に届いているから。


「えっ、俺? 本当なのか?? 」

右人差し指で自分の顔を指した俺に向かって、再度「うん。炭治郎が好きだよ」と答えてくれる七瀬だ。


うわあ……凄く嬉しい。
彼女から貰った言葉をゆっくりと咀嚼しながら、自分の体に馴染ませる。

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