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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎



そして二日経ち、七月十四日。今日は俺の誕生日だ。

「カアー! 炭治郎、北北西へェ向カエー」

……誕生日なんだけど、鬼殺は待ってくれない。鎹鴉が任務地へ行けと急かすので気持ちを切り替えて北北西へ向かう。












「え、雨か? 」

無事に鬼の討伐が終わった深夜、俺の頭に冷たい雫がポツポツと落ちて来たので、ここから一番近い藤の家を松衛門に案内してもらいながら、夜道を小走りで進んで行く。

すると見慣れた家紋の屋敷が視界に入る。


見えた、藤の家……ん? あれって ———
門扉の前で屋敷の女の人と話しているのは、七瀬だ!!

「こんばんは、すみません…俺も一晩お世話になっても大丈夫ですか?」

「鬼狩り様、それは構いません。ですが今夜は条件がございまして。こちらの方にも今お話したんですが……」

条件って何だろう。
俺は七瀬の横に並んで、女の人の言葉を待った。








「雨が降って宿泊者が多いから、この部屋しか空いてない。自分より後に来た隊士が宿泊を希望した場合、申し訳ないけど相部屋になるって言われてかなり悩んでたの。炭治郎で安心したよ」

「それなら良いんだけど……」

俺達は濡れてしまった隊服と羽織を脱いで、室内に置いてある浴衣に着替えている所だ。

この部屋に入る前、一つの部屋でどうやって着替えようか。
俺はそんな事ばかり考えていた。


「ふう、すっきりした〜! 私湯浴み行ってくるね。炭治郎も着替えた?」

「あ、ああ。大丈夫だ! 」

俺の後ろからスッと襖が開く。この部屋はそこを閉める事により、複数人が宿泊出来る仕様になっていた。

だから面識がない隊士同士でも、同じ部屋に宿泊する事はひとまず可能。要は気持ちの問題と言うやつだ。

取り越し苦労って、この事だよなあ。脱いだ隊服を籠に入れて両手で持って立ち上がる。


「俺も湯浴み行くよ」

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