• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎





「美味しかったー!! けど、大分高かったね…さすが銀座。今月の給金支給日まで当分出かけられそうにないや」

「多めに持っていけよって、これも善逸に言われてそうしたけど…本当に高かったなあ」


私も炭治郎と同じように、本田さんから銀座の物価の高さを事前に助言された。そんなに?? と聞いただけで驚いてしまったのだけど…本当に聞いておいて良かったな。


外壁が煉瓦(れんが)作りの店内から一歩出た私達は、それから帰宅の途につく。私も炭治郎も夕方からそれぞれ任務の為だ。


「じゃあまた。時透くんによろしく…って言っても明後日行く予定だけど」

「あはは、そうだね。炭治郎うちに出入りする回数増えて来たから、継子になれば良いのに」

「いや、時透くんの毒舌がちょっとなあ。月に二回で充分だよ。七瀬は毎日だもんな」

「あれでも大分柔らかくなったんだよー」















「ただいま帰りましたー……って、あれ無一郎くんもう任務行くの?」

「お帰り、何その服装」


上がり框(かまち)に腰掛け、草履を履き終えた彼。
そのまま立ち上がると優雅な所作で帯革(=ベルト)に日輪刀を指した後は、私の姿をじっと見る。


炭治郎と銀座へ行って洋食を食べて来たのだ —— そう伝えると「ふうん」と一言だけ投げかけ、出かける挨拶をしながら玄関扉から静かに出て行ってしまった。


『こう言う所はあまり変わらないよね。でも……』


自分の服装を一瞥した後、興味を少し表してくれた。以前の無一郎くんなら気にもかけなかった部分だ。
毒舌だけじゃないって所、もっと色んな隊士に知ってほしいな。


指導者としての腕は確かでとにかく理に適った事を伝えてくれるお陰だろう。私の勝率が少しずつ上がって来ているからだ。


炭治郎は刀鍛冶の里任務以降、無一郎くんに気に入られ、月に二度は稽古に参加してくれるようになった。




/ 938ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp