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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎



炭治郎の服装は襟がない襯衣(しんい=シャツ)の上に、彼の双眸と同じ臙脂色(えんじいろ)の着物を着用しており、下は黒の袴を穿いていて書生風の装いだ。

私は若葉色の着物を着用し、手には巾着を持っている。

銀座の洋食屋に行きたいとだけ伝えたら、こんな服装で来てくれた。感心した私が問いただすと善逸の助言のお陰だ!と胸を張って言う後輩である。


「凄く似合ってると思う! 隊服も良いけど、今日の服装もかっこいいよ」

「そ、そうか?? 七瀬に褒められると嬉しいなあ」


素直な気持ちを口に出すと、頬をやや赤く染める炭治郎だ。かわいいなあと思った事はもちろん私の心の中だけに留めておく。

これは本田さんの” 男子はかわいいと言われるのを好まない人が多い”と言うありがたい言葉のお陰だ。


「じゃあ行こうか」

「うん」

そうして私達二人は洋食屋さんの扉を開き、店内に入って行った。











「ん……卵が本当にふわふわ! 中のご飯も美味しい!」

二十分後、私はライスオムレツの美味しさに舌鼓を打っていた。
赤い米飯はケチャップライスと言うらしく、上から包むように巻かれている卵の形も綺麗。

つやつやと黄金色に光っていて、見た目からこれは美味しそう…と視覚に訴えて来る。


「これは卵を炒めてるんだよな?火加減が大事なのは間違いないとは思うんだけど……」


匙(さじ=スプーン)で掬った卵の蓋をまじまじと見つめながら、ぱくりと口に入れた炭治郎は「口の中でらいすと混ざるのがまた美味しい」と料理上手な彼らしい感想を伝えてくれる。


「ふふ、私もだけど炭治郎も食べるのが速いね! ほんとこれとろける美味しさだもんね」

「そうだな! おかわりしたいぐらいだぞ」

それから十分後、私達の食器にのっていたライスオムレツは綺麗に姿を無くした。


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