恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第58章 Evviva!(エッビーバ) / 🔥 ✳︎✳︎
「七瀬…俺、も……くっ……」
はあ……!と頭上から彼の息が吐き出された瞬間、膜を通じてあたたかな物が膣内に放たれていく。
びゅ、びゅ、びゅ、と三回に分けて放出されたそれを受け止めた私は途端に脱力し、両手をベッドへと投げ出した。
はあ、はあと息を整えた彼は私のおでこと唇にキスを落として、ゆっくりと包むように覆い被さって来る。
汗がじっとりと私の肌に垂れて来たけど、それすらも愛おしい。
三分程経った後にゆっくりと私から離れ、繋がった部分から男根を抜かれた。その瞬間がまた心地よくて、んっと声が漏れてしまう。
コンドームにはなかなかの量の白濁が出ており、それをゆっくりと外した杏寿郎さんはくるりと縛った後、ベッド横のゴミ箱へと捨てた。
名前を呼ばれ、後ろからぎゅうっと抱きしめられた。彼の右手は腹部へ、左手は左の膨らみへ移動する。
「もう一度…君と繋がりたい。いいか?」
「えっ、あっ………」
うん、と頭を縦に振った私の左頬は杏寿郎さんの右手に囚われてしまい、唇にあたたかなキスが届いた ———
初めて繋がった私と杏寿郎さん。彼との情事はこの後、私が力尽きるまで続いたのである。
自分の意識が途切れたのは夜明け前だと記憶しているが、実際は定かではない。
★
それから二年後の夏、七月中旬。
長期休暇が奇跡的に取れた私達二人は、イタリアへやって来ていた。
目指す先はカプリ島にある” Grotta Azzurra(グロッタ アズーラ)”
青の洞窟だ。
なの、だけ……ど ——