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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第58章 Evviva!(エッビーバ) / 🔥 ✳︎✳︎




「きもじ、悪っ……うえっ……」
「七瀬、恥じる事はない、出してしまえ!!」
「いや、ここをを汚すなんて…うっ……」

青の洞窟の手前で入場待ちの為にモーターボートに乗って待っていたのだが、入場率が上がる六月七月は洞窟の前で待機する時間が必然的に長くなってしまう。


揺れに耐えきれなかった私は気分が悪くなった。船酔いである。
彼の大きな手が背中を摩ってくれた安心感から、私はコバルトブルーが美しい地中海をほんの少しだけ汚染してしまった。


この後、酔いでフラフラだったが、気力で船頭さんが漕いでくれる小舟に移動して何とか洞窟に入場する事が出来た。

体調はこの上なく最悪。
しかし、今まで観た事がない程の透き通った青色と、船頭さん達が歌うイタリア語の歌。

これを忘れる事はきっとないだろう。


私のように酔いやすい体質の方は海路ではなく、陸路から向かうルートもあるので、カプリ島に宿泊するプランをおすすめする。
レモンチェッリ(レモンのお酒)もぜひ自分土産用に。












同時刻、日本にて ———
一組の男女が「Forza!」で飲み直している。

「煉獄さんと七瀬ちゃん、青の洞窟に入れたかしら。この時期は入場率が高いから多分大丈夫だと思うけど……」

「どうした、蜜璃」

「小芭内さん、七瀬ちゃんね、先月4DXの映画を一緒に観に行った時……」

そう言えば七瀬が休憩時間にそんな事を話していたな……と小芭内は思い出す。その時杏寿郎は不在だった、とも。

「確かに気にかかるな。しかし、煉獄が共に行っているから問題ないだろう」

「ふふ、そうね」

少し不安気な表情をしていた蜜璃。しかし小芭内の一言を聞いた途端、その顔に笑みが戻った。


「あのね……」

蜜璃は目の前の彼に「自分もあなたといつか一緒に、青の洞窟に行きたい」
そう伝えると、小芭内の顔にも笑顔が宿った。








end.


次ページに栗鼠🐿️の呟きあり☞


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