恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第57章 恋のゆらぎ / 🎴・⚡️
「この曲は先輩達や社長からせつない歌詞で……とリクエストされた物なんです。だけど俺の独断でせつなさから幸せに変わる歌詞に変更しました」
「切ない歌詞ばっかりって俺は捉えてたから、炭治郎から最終的な物を見た時はびびってさ。でも凄く良い仕上がりになってたから、今は満足してる」
二人は顔を見合わせて、笑顔を交わす。
互いにアコースティックギターを肩から掲げてMCの合間にチューニング(=調弦)をしている。
「先輩達はお馴染みのダンスでかっこよく歌っていますが、俺達はギター二本で歌ってみようかなと思います」
「みんなも良かったら一緒に歌ってね!Edo Boysで”恋のゆらぎ”です」
互いに客席に向かって一礼すると、お客さん達は二人にあたたかな拍手を贈ってくれた。
「ワンツー……」
トントン、とギターのボディが優しく叩かれて曲が始まる。
♩〜
炭治郎くんのギターは和音を。善逸くんのギターからはアルペジオ(=和音を分散させて弾く奏法)が奏でられ始めた。
【 恋が揺れる 君が揺らぐ
もやがかかったその姿 もう捉えられないね
手を伸ばしても掴めない 波打ち際で1人佇んだ 】
互いのギターの音色が柔らかく響く中、二人のボーカルがライブハウスを包んでいく。
【ずっと一緒に……約束したあの夏は遥か前
ようやく君を乗り越えられそうな気がするよ】
pillarの曲はこのフレーズから伊黒さんのメインボーカルに、冨岡さんと不死川さんのハモリが重なっていくのだけど、Edo Boysの場合は炭治郎くんが主旋律を。善逸くんがハモリをすると言う振り分けだ。
【恋に揺れる 君に揺れる
定点が決まった思いはどこへ行った
手を伸ばせばコツンと当たる
それは君に伝えれなかった思いの枝だ
心の中にそっとしまおう 二度と咲く事がないように
心の中にそっと閉じよう 二度と開く事がないように 】