恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第57章 恋のゆらぎ / 🎴・⚡️
「先日出したシングル曲も、とても評判が良かったよね。これでウィークリーチャート20曲連続1位」
「お館様にそう言って頂けると、身が引き締まります……」
「ありがとうございます!応援してくれる人達のお陰です」
ニコニコ顔のお館様に向き合うように座っている炭治郎くんと善逸くんは、緊張しているけどとても嬉しそうだ。
それにしてもお館様の声は相変わらず心地いい。
あれかな、1ゆらぎ/f ってやつかな。
電車の揺れも確かそう評されていたっけ。私が瞳を閉じてその声に浸っていると「おい」と右隣から優しく諭されるような声がかけられた。
「気持ちはわかるが、踏ん張れ」
「すみません。ありがとうございます」
先輩マネージャーの後藤さんだ。
「ふふ、七瀬さんは立ったまま寝ようとするなんて器用ですねぇ」
「すみません……」
左隣から声をかけてくれたのは、同じく先輩マネージャーである胡蝶しのぶさん。
Edo Boysは私・後藤さん・しのぶさんの三人体制でマネージャー業務をしている。
「特に杏寿郎が二人の作詞曲を凄く気に入っているみたいだよ。天元も善逸の作曲センスを褒めてたし」
さて、今度は先程から話題に上がっている”pillar”と言うグループについて説明しておこう。
カガヤーズ事務所が送り出す最強ダンス&ボーカルグループの事で、メンバーは宇髄天元・煉獄杏寿郎・冨岡義勇・不死川実弥・伊黒小芭内の五人である。
歌とダンスはもちろん、ドラマ・映画・舞台・ラジオ・バラエティ番組の司会等で絶賛活躍中。札幌・東京・西武・名古屋・大阪・福岡の六大ドームでツアーを敢行すれば、あっと言う間にチケットが完売してしまう。
日本が誇るスーパーグループなのだ。