恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第16章 令和の緋色と茜色 / 🔥
涙ぐむ、彼の父親の槇寿郎さんと弟の千寿郎くん。とても快く私を歓迎してくれた母親の瑠火さん。
煉獄家公認の彼女となっているのだけど、本当に何であっさりと認めてもらったのか全くわからない。
だって私、ただの高校2年生だよ?
「思い出すって何ですか?」
私は首を傾げる。
「いや、何でもない。おはよう、よく眠れたか?」
彼が優しい声色で問いかける。
「はい」と笑顔で答えれば、整った顔立ちが私に少しずつ近づいて来る。ドキドキと朝から心臓が忙しなくなった。
ちう、と彼は一回かわいいキスをしてくれた。その後コツン、と自分のおでこを私のそれに当ててくれる。広めのおでこから伝わってくる恋人のあたたかさに癒されていく。
「おはようございます」
杏寿郎さんの隣。それは世界で1番安心できる場所、と言っても良い。1人で寝るより遥かに落ち着いて寝れる。
私は年上の恋人にギュッと抱きつく。
こうすると、いつも彼は逞しい腕を回して背中を優しく撫でてくれる。
恋人が着ているTシャツから、とても良い柔軟剤の香りがした。
大好きだなあ、この匂い。杏寿郎さんの匂いってすぐわかる。
「大河は昨日見たし、今日は何をしようか?君のやりたい事を教えてくれ」
「やりたい事、ですか?」
「ああ」