恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第53章 Latte ship / 🔥✳︎✳︎
「うわ、すみません!申し訳ないです!あの、彼女から…あ、いえ……知人にキャプテンと乗務する事になって緊張すると相談したら、コーヒーの事を話してみたらと……アドバイスを貰いまして……」
「ははっ!そうか、間違いは誰にでもある!故に気にするな」
なるほど、そう言う事か。
胸の中があたたかい気持ちで満たされていく。竈門副操縦士の照れた顔がどことなく弟・千寿郎を思わせ、今度はこちらからも彼に質問をした。
「では竈門副操縦士、行こう!時間だ」
「はい、キャプテン!」
キメツ航空203便は、高知へ向けて出発した。
それから二週間後のフライトでも俺は竈門炭治郎と同じ便を操縦する事になる。今回は羽田空港へ向かう機内での事だ。
「よし、竈門少年、ここからは俺が操縦を変わろう。 I have !」
「煉獄さん、だから俺は少年じゃないです!お願いします。You have!」
竈門少年から操縦桿を引き継いだ俺は、先日の話を持ちかける。
あれから俺と七瀬、竈門少年と彼の彼女の四人で飲みに出かけた。
彼女同士が友人で七瀬も少年と面識があると言う事で、大層話が盛り上がり楽しい一夜を過ごした。
少年と彼女は何と同棲五年になるらしい。
結婚も視野に入れているようで、近々プロポーズするとの事だ。
“結婚”の二文字が浮かぶ時、いつも七瀬の事を思う。付き合って三年。来月から四年目だ。
剣道の段位試験に合格したら……タイミングはそこだろうか?
飛行機が無事に着陸した。
今日の管制アナウンスは随分と的確だったな。終始良い気持ちで仕事ができた礼をどうしても伝えたくなり、俺は普段英語でのやりとりの中、日本語でマイクに向かって話しかける。
「すまない、日本語で話をさせてくれ。東京グランド、こちらキメツ航空208便は無事に着陸しました。本日のアナウンスは大変的確でわかりやすかった!ありがとう」