恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第53章 Latte ship / 🔥✳︎✳︎
しのぶさんが全乗務員の健康状態、持ち物の確認をし、不備がない事を再度確認すると今度はコックピットクルー…パイロットとの顔合わせ兼打ち合わせだ。
お客様達と同じように手荷物検査場を通り、機内へ移動。この時間はかなりバタバタする為、早足で歩く事が多い。
機内に移動し、それぞれの持ち場の準備をしている所で機長から集合がかけられた。
「おはよう、皆揃ったな!では本日のブリーフィングを行う。機長の煉獄だ。よろしく」
「おはようございます、副操縦士の竈門です。煉獄キャプテンとご一緒するので、緊張しています!頑張ります!」
「CPの胡蝶です、よろしくお願いします」
「CAの沢渡です。竈門副操縦士とは地上勤務時代、一年間一緒に仕事していました。よろしくお願い致します」
クルー全員の自己紹介が終わると、キャプテンから本日の目的地までの全体的な気象情報、速度や高度、飛行時間やルート。いわゆる安全に関する取り決め事項を皆で確認していく。
「それでは今日も安全第一でフライトに臨もう。オンタイムでいくぞ!」
「はい!!」
キメツ航空203便、行き先は四国の”高知龍馬空港”だ。
★
「あの、煉獄キャプテン。少しお話よろしいですか?」
「どうした?」
コックピットに入り、全ての機械類がきちんと作動する事を確認し終えたほんの隙間時間の事だった。竈門副操縦士が声をかけて来た。
俺がブラックの他に甘いコーヒーを好んで飲んでいる事を、誰かから耳にしたようだ。
「あの!俺もカフェモカが大好きなんです!ブラックも飲めない事はないのですが、その……甘いコーヒーが好きで!尊敬しているキャプテンと同じ物が好みと知り、凄く嬉しくて……」
む?カフェモカ?いや、嫌いではないが……。
「すまない、俺が好きなのはカフェラテだ!」
「えっ?」
コーパイの顔が一瞬戸惑った後、みるみる内に真っ赤になる。