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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第53章 Latte ship / 🔥✳︎✳︎



「あれ、杏寿郎さん。どうしたの」

欲を放ち終わったと言うのもあるが、恋人がぼうっとしているのは珍しい。私に名前を呼ばれた杏寿郎さんは、とても名残りおしそうに結合部から自分の昂りを抜き、後処理をする。

下を見れば恋人のスラックスは、私と彼の本能でべっとりと湿っていた。

「恋人から自分の事を好きだとはっきり言われるのは嬉しいな…と改めて感じていただけだ」



ありがとうの言葉と一緒に、杏寿郎さんが私にキスをくれた。その後は制服を脱いで一緒にバスタイム。

クリーニングに出す前にせめて汚れた部分だけは手洗いしておこう。私がそんな事を考えていると、何だかそわそわし始める彼。


どうやらまた体を繋げたいようだ。でも明日は同じフライト。首を左右に振ると、再び恋人の眉が下がる。私は杏寿郎さんのこの表情にとても弱い。

うっ……と胸が痛くなる。
しかし、ここで流されるのは非常によくない。ぐっと我慢してもらう代わりに、たくさん彼にキスを贈った。

“大好きだよ”の気持ちを精一杯込めて。


「おやすみ」と互いに言いあえる人が側にいる。この先もずっと一緒に過ごしたいな。付き合って三年。来月から四年目だ。

私は隣にいる彼の穏やかな寝顔にそっと口付けた後、ぴったりと自分の体を恋人の体にくっつけて目を閉じた。





そして翌日 ——
彼とのフライトの時間がやって来た。出社して制服に着替えた私は、昨日退勤前に話をしていた同期・後輩とブリーフィングに向かう。

ブリーフィングとは乗務前の打ち合わせだ。毎回一緒に業務をする乗務員が決まっているわけではないので、その日一緒に業務をする人達との顔合わせの場も兼ねている。

本日のCP(=チーフパーサー)はしのぶさん事、胡蝶しのぶさん。私の三期上の先輩CAだ。


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