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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第53章 Latte ship / 🔥✳︎✳︎



愛い。
”けなげ”と言う意味だ。杏寿郎さんは主にかわいいと言う感覚で使用する事が多い。

大好きな人からの”かわいい”は女に自信をくれる。もちろん心を込めて言ってくれる事が大前提だ。


「私、心臓がもう爆発しそうだよ。制服姿本当に似合っているから」

「ありがとう。しかし俺も同じく君の制服姿にここが忙しないぞ?」

彼が私の手を取り、心臓の位置にピタッと当てる。すると掌に響くのはドクドクドクと、早足で鼓動を刻む振動だ。

「本当だ。ミスターパーフェクトもやっぱり人の子なんだね」

「む?なんだそれは」

かくかくしかじかと私が説明すると、杏寿郎さんはきょとんとした表情を見せる。


「俺が完璧?いや、そんな事はないぞ」

「杏寿郎さん謙虚だから」

「君は案外わかっていないなあ」

「え?そう、かな」

「七瀬の事になると嫉妬も当たり前のようにするし、葛藤も数えきれないぐらい味わっているが」

「いや、それは私が言う事なんだけど……」


派手な容姿だけど、整っている小作りの顔。それに甘んじる事なく、何に対しても真摯に臨む内面。

仕事をする上で私が特に尊敬している所……それはお客様だけではなく、私達クルーや共に飛行機を操縦するコーパイ(副操縦士)の事も常に気にかける姿勢。
当たり前の事かもしれないけど、案外これが出来ない大人は多い物だ。


「周囲がそう評してくれるのは光栄だし、ありがたい事だ。しかし、俺は君の前では……好きな人といる時は自分に正直でありたい」

「杏寿郎さん……」

ちう、と唇に一つまたキスが落ちた。


「因みにだが、パイロット仲間の間では君の足が綺麗だと評判だぞ」

「え、何それ。私言われた事ないよ?」

寝耳に水、である。

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