恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第53章 Latte ship / 🔥✳︎✳︎
三日後の火曜日。
今日の勤務が終わり、社員ロッカーで着替えながら私は同期CA・後輩CAと話をしている。
「明日のフライト、煉獄キャプテンと一緒だって〜!どうしよう、嬉しすぎるんだけど」
「あんなにカッコ良いのに全然気取ってないし、優しいし。五カ国語ペラペラで剣道何段でしたっけ?」
五段!!
次合格したら六段だよ!二人が興奮しながら話しているのを横目に、私は心の中で盛大にツッコミを入れた。
「沢渡さん、あんな完璧な方が恋人なんて本当に羨ましいです〜。あ、それで私さっき後輩から聞いたんですけど」
「うん、どうしたの?」
「なになに?」
★
「えっ?玉城さん結婚するの??確かまだ入社して半年だよね」
「妊娠はしていないらしいんですけど、彼氏と入社前から同棲してたそうです。五年も!」
「この業界、案外同棲してる人多いよね」
「中村さんは妊娠して、先月から地上勤務に異動したし。GS(=グランドスタッフ)の後輩も彼からプロポーズされたって」
「凄いね、何だか皆幸せへの階段を順調に登ってるんだね」
「そうなんです!!実は私も」
後輩が白状するようにプロポーズされたと打ち明けると、隣にいる同期まで今週末彼の実家へ挨拶しに行くと言う。
「二人ともおめでとう!良かったじゃない〜」
「ありがとう!でも七瀬達だって、そう言う方向に進んでいるんでしょ?」
「そういう方向って、えー私何も言われてないよ?」
「そうなの??」
杏寿郎さんとはお付き合いを始めて三年で、私が入社一年目の時に開かれた親睦会で出会った。
本人にあまり自覚はないようだが、杏寿郎さんは大変にモテる。最年少で機長になり、文武両道と言う理由から付いたあだ名は「ミスターパーフェクト」
そんな彼から何故声をかけて貰えたのか。その理由は私が剣道経験者の為だ。