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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第51章 Cream air lines / 🎴✳︎✳︎



「お待たせしました、カフェモカでございます」

先程の店員さんが飲み物を持って来てくれた。
私と炭治郎の前にカップとソーサーを置く様子を見ながら、綺麗な所作だなあと感心してしまった。

これは完全に職業病。ついつい観察してしまう。CA(=キャビンアテンダント)の友達も言ってたもんね。


「俺、この上に乗ってるホイップクリームが好きでさ。チョコシロップもかかってるから嬉しくなるんだ」

彼がカフェモカをひと口飲むと、途端に顔が綻んだ。
そう言えば、とある事を思い出した私は炭治郎にそれを伝える。


「そっかあ、煉獄さんはブラックだけじゃなくてカフェモカもよく飲むんだ」

「うん、コーヒー好きって善逸から聞いた事あるよ。フライト前のスキマ時間に話してみたら?緊張も少し解けるかも」

「ありがとう、そうしてみる」

あ〜緊張するなあとまた言葉を発した炭治郎。だけど顔つきは先程より随分と和らいでいる。

彼の様子に安心した私はカフェモカのクリームをスプーンで掬う。
すると、クリームとチョコシロップの甘さが口腔内いっぱいに広がって笑顔がこぼれた。


「七瀬と飲むカフェモカはやっぱり最高だな」

「ふふ、ありがとう。また家でも一緒に作ろうよ」

「うん、是非」










それから2週間後。炭治郎は煉獄さんとのフライトを終えた。


「ん、上手に出来た」

カチ、と鍋にかけていた火を止めてエプロンを外す。今は午後7時を回った所だ。

ピンポーン——……。
あ、帰って来たかな。パタパタとやや急ぎ足で玄関へと急ぎ、ドアスコープを覗くとそこには愛しい彼の姿。


「お帰り!フライトお疲れさま」

「うん……ただいま」

「どうしたの?何か元気ないね」

「失敗した」

「え?何を?フライトは無事に終わったんでしょ」


うん、と頷いた炭治郎ははあーと深い息をつき、こう言った。



「煉獄さん、カフェモカじゃなくてカフェラテが好きらしい。俺も一緒です!大好きなんです!って一方的に捲し立てた後に申し訳なさそうに言われてさ」

あらら…。

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