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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第51章 Cream air lines / 🎴✳︎✳︎



そんなある日の事だ。


「えっ!煉獄さんって煉獄キャプテン??凄いじゃない」

「うん。そうなんだけど…」

たまたま彼と休日が重なった週の真ん中、水曜日。近くのカフェでランチをしていた私達。
互いに食後のコーヒーを飲んでいる最中、次のフライトで煉獄さんと一緒に乗ると教えてくれた。


煉獄杏寿郎さん。
入社して最年少で機長になった超優秀なパイロットだ。
社内で知らない人はいないんじゃないかと言うぐらい、ちょっとした有名人でもある。


「派手な見た目だけど、凄くカッコ良いし、5カ国語ペラペラ、性格も気取ってなくて剣道の有段者だよね?私の周りに何人も煉獄さんのファンがいるよ」

「だよなあ。本当に凄い人だよ」

ふう、と肩を上下させてため息を吐く炭治郎はかなり不安そうな様子だ。迷惑はかけられない、失敗は絶対出来ない、と重圧を相当感じているんだなあと言う発言ばかりが口をついて出る。


「煉獄さんっていつも完璧なフライトをするんだよね。急なアクシデントにも即座に対応するし、何よりお客様の事を1番に考えている」

「うん。一緒に仕事するクルーの事も凄く気にかけてくれるらしいし……本当に非の打ち所がない人だよ」

再びふう、と深く深く息を吐く炭治郎だ。
いつも私を励ましてくれる彼だけど、こんなに憂いているのは珍しい。

ズズッと最後のひと口のコーヒーを飲んだ彼は何を思ったか、右手を挙げて店員さんを呼んだ。そして飲み物のお代わりを頼む。


「あ、じゃあ私もカフェモカお願いします」

「ではカフェモカがお2つですね。かしこまりました」

店員さんが私達のテーブルを離れる前に炭治郎を見て、一際輝く顔をしたのは気のせいではないだろう。
入社したての頃、”かわいい”と言う形容詞が似合う恋人だったけど、今は入社6年。

パイロット訓練生から副操縦士になった彼は責任感がグンと増し、顔つきが凛々しくなったからだ。


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