恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第51章 Cream air lines / 🎴✳︎✳︎
「ああ、だから…俺と付き合ってほしい」
「うん、ありがとう。こちらこそよろしくお願いします」
即答とはいかないものの、その場で返事を伝えると彼はいつも以上に破顔した。
「本当に??うわー…嬉しすぎる」
「実はね、私も竈門くんの事がずっと気になってたんだ」
すると、更に彼の笑顔が鮮やかに咲いた。
それからお付き合いを始めた私達。
互いに忙しい日々だけど、毎日連絡を取り合い今では ——
「おはよ、七瀬。朝食出来てるぞ」
「おはよう……え、ごめん。今日私の当番だったよね」
「疲れてるんだろ?何回か起こしたんだけど、目を覚まさなかったから……」
「ん、」
ちう…と唇に降って来るのは炭治郎からのモーニングキス。
「最もそうさせたのは俺だけど」
彼がやや悪戯心を含んだ笑顔を見せながら、私の左頬を優しく撫でると心臓がドクンと心地よく跳ねた。
「本当七瀬、かわいい。大好き」
ベッド脇に腰掛けながら私を見下ろしていた炭治郎は、離れる前におでこに1つあたたかなぬくもりを落として、キッチンに向かう。
6人きょうだいの長男と言うポジションだからか、彼はとても面倒見が良く、そしてとても優しい。でも怒るとその優しさが霞んでしまうぐらい怖い。
それでも怒っている姿が男らしくてキュンとした、と言うのは私だけの秘密だ。
優しく、かっこよく、そして可愛い。
私の彼氏はそんな三拍子揃った良い男。惚気てしまって申し訳ないが、炭治郎と付き合い初めて毎日充実しているし、毎日が本当に楽しい。
自分は特に恋愛体質と言うわけではなかったのだけど、彼と仕事以外で出来る限り一緒に過ごしたい思いがむくむくと湧き上がり、付き合って1年経った頃から同棲を始めた。
提案するのは死ぬほど恥ずかしかったけど、勇気を振り絞って伝えると炭治郎は快諾してくれた。
「実は俺も同じ事考えてた」
私が昇天した瞬間、である。