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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第49章 両手に炎 〜炎柱ver.〜 / 🔥・🎴



「あ、そうだ。くりすますの挨拶してなかったね」
「あいさつ?そんな物があるのか?」

うん、と頷いた七瀬は恋人にこう告げる。


「めりーくりすます、炭治郎。楽しい1日を……そんな意味があるって町中で話してるのを聞いたよ」

「へえ、いいな。それ……じゃあ俺も」


“めりーくりすます、七瀬。君が大好きだ”

炭治郎は恋人に優しい優しい口付けを贈った。









この日の夜。
任務から帰宅した2人は朝の約束通り、心と体を繋げ合う。
炭治郎は前夜の反省を活かし、この日は僅か2回の情事で己の欲を抑えた。


「うん、これぐらいなら大丈夫だよ」
「そうか、良かった」

本音はまだまだ恋人に触れたいし、触れて貰いたい。しかし、炭治郎の長男気質が必死にその欲を抑えつける。


『……本当は物足りないんだよね』

昨夜の自分の件がある為、気遣ってくれるのはありがたい七瀬だったが、我慢をしている恋人をどこか不憫にも思う。


「炭治郎」
「うん、なん……」

彼の唇が七瀬のそれにより、塞がれた。
辿々しくも舌を絡ませた彼女は必死に口付けを炭治郎に贈る。

ぷはっと一度唇を離した2人は大きく息をした。
口付けを交わしている最中に息を吸う事など互いに知りもしない為である。


はあ、はあと2人の息が絡む。
炭治郎の目は潤んでおり、自分をやはり求めているのだ —— そう確信した七瀬は意を決して言葉を放つ。


「炭治郎、少し辛そう。後……」

“1回か2回なら、大丈夫”

炭治郎の左耳にそんな呟きが届く。すると彼の体の中心からぐわっと燃え上がるような思いが顔の中心に集まって来た。


「……何か七瀬、頼もしいな」

「そうかな?でも一応姉弟子だから、先導…じゃないけどどこかそんな気持ちもあったりするのかも」


ふふふと笑う恋人に、炭治郎は愛おしい気持ちを一層感じた。


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