恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第2章 唇に甘い罠 / 🔥✳︎✳︎
「なかなか逃げ足が速かったが…」
手首を掴んでない方の手で左頬をふわりと包まれる。耳の下に長い彼の指と鋭く尖った爪が当たった。
どうしてそんなに優しく触れるの……あなたは人を喰う鬼でしょう?
「ようやく捕まえた」
赤く燃える炎のような双眸。両目尻には瞳と同じ色の目弾(めはじき=アイライン)
一度見たら忘れられない、とても印象的な2つの炎が私の両目を真っ直ぐに射抜く。
そして、右目に上弦、左目に参の刻印。上弦の鬼の証だ。
逃げなきゃいけないのに……強い目力に囚われて動けない。
金縛りにあう、と言うのはこう言う感覚なのかもしれない。