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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥



鬼のいぬ間に洗濯、と言うことわざがある。
七瀬と杏寿郎の場合はさしずめ”ヒノカミいぬ間に逢瀬”とでも言おうか。


2人が恋仲になって1時間と少し。炭治郎が帰宅して来た。

「すみません、ぷりんの試食を杏寿郎としました」

「そっか、上手く出来てた?」

「はい!」

継子2人はぴったりの波長で、炭治郎に答えた。3人はいつも食事をする居間に集まり、談笑をしている。


『師範……何も言わないけど、気づいているんだよね』
『むう、流石の余裕だな。問いただす事はして来ないか』

七瀬と杏寿郎は笑顔を浮かべる裏で、そんな事を考えていた。


『2人から強い恋慕のにおいがする。あーあ、俺が留守の間に恋仲になったか……』

炭治郎は2人の予想通り、継子達が恋人同士になった事に気づいていた。


『でも始まったばかりのようだし、俺にもまだまだ好機はあるかな』


「師範、塩大福10個も買えたなんて運が良いですね!なかなか買えないって聞いてたので…」

以心伝心の女将と炭治郎は一般隊士の時からの付き合いである。
柱の彼は、ここぞとばかりに『取り置き』と言う手段を使った。


「え〜!流石師範ですね」

『むむ、抜け目がないな……』

この言葉に反応したのは杏寿郎である。七瀬の恋人は自分だ。それは確かな事実だが、師範の行動に彼は珍しく焦燥感を感じていた。

普段は冷静な杏寿郎だが、恋となるとやや勝手が違うようだ。








「師範、少しよろしいでしょうか?お話したい事があります」

「いいよ、入って」


塩大福を食べ終わった後、杏寿郎は炭治郎の部屋を訪ねた。
既に察知しているだろうと予想はしていたが、直接話しておいた方が良いと判断した為だ。
襖を静かに開けると、炭治郎が笑顔でそこにいた。

「話って何?」

「はい……」

男2人の間に見えない火花が散る。




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