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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥



〜杏寿郎と食べるぷりん〜


「良いのだろうか?俺達だけで食べてしまって……」

「大丈夫だよ、だってこれは試食だもん」


問題ないよ —— 七瀬は冷蔵庫からアルミ容器に入ったぷりんを1つ取り出しながら、杏寿郎にそう言った。


早朝稽古と朝食が終わり、彼女は洗い物をしていた。
左隣に杏寿郎が立っているが、ふきんを手に持つだけで食器を拭くと言った事はしていない。


師範の炭治郎に厨(くりや)の出入り……特に調理中はダメだと禁じられている為だ。片付けも以前食器を何枚か割っているので、拭き仕事も禁じられている。


何も出来なくて申し訳ないと謝る杏寿郎に、七瀬は師範命令だから気にしないでと返す。


彼の心がほっとする瞬間だ。因みに炭治郎は柱合会議に出かけた為、不在である。


「師範には後で私が試食したくなったからって言うよ。1人で食べるのも寂しいから杏寿郎も食べよう?」


思い人からの思いがけない誘い。
やや後ろめたい気持ちはあったが、”これは試食だ” —— 先程七瀬が言ったように自分に言い聞かせ、了承の返事をする。





それから2人は杏寿郎の部屋にやって来た。


「どちらの味にしたんだ?」

「甘い方にしたよ。ほろ苦い味も気になるけど、杏寿郎と食べるならこっちかなって」

“自分と食べるなら甘い方が良い”

これは一体どういう事なのか?杏寿郎の心臓が、忙しなく鼓動を刻み出す。


「2つに分けちゃうとほんの少しになっちゃうね。杏寿郎は足りないよね?」

「いや!!問題ない!」

「………!そ、そう?なら良いんだけどね」


彼の大きめな声に少し驚きながら、七瀬は小皿に乗ったぷりんを彼に差し出した。

「いただきます」と互いに手を合わせてぷりんを食べていくが、一口で食べてしまった杏寿郎に七瀬は笑ってしまう。

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