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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥



『恋仲になったと言う事なのか?しかし、いつからだ……』

杏寿郎は顎に手をやり、思案し始める。
ぷりん作りをする前の2人、ぷりん作りをした後の2人。


『よもや…!俺が先に任務に行ったあの日か!!』


彼の脳裏にその様子が思い浮かぶ。日柱邸に帰宅したのは翌日の明け方近くだった。
少しだけ仮眠を取り、早朝稽古に参加後 —— 炭治郎と七瀬は朝食作りに行ってしまったので、2人の様子まではよくわからなかった。


稽古中の炭治郎は自分にも七瀬にも厳しい為、そこでも特に変わった様子は見られなかったのだ。


しかし ——
その後の朝食時の2人は何回も目線を交わしながら、時折笑顔を見せていた。

何か特別な会話をした覚えもない。ただただ普通のありふれた日常の景色だ。
それでもあの時の2人には踏み込めない何かが既にあったのだ。


『むう、参ったな……俺はどう出るべきか』

杏寿郎が今後の行動を考えていると、炭治郎が彼の方を振り向いた。


「杏寿郎、この後俺の部屋に来て」

「はい」

『だ、大丈夫なのかな……』

七瀬は2人の間に見えない火花が散っているような気がして、不安を感じていた。








「師範、杏寿郎です」
「入っていいよ」

朝食後、言われた通り炭治郎の部屋まで来た継子は襖の外から声をかけた。了承の返答を受け、杏寿郎は襖を静かに開ける。

すると、文机の前で正座をしていた炭治郎が彼の方を向き、隣に座るよう促した。
言う通りにする杏寿郎。

互いの間をやや緊張した空気が通り抜ける。
継子と師範は膝を突き合わせて、互いに視線を交錯させた。


「単刀直入に言うね。七瀬と恋仲になった」
「………やはりそうでしたか」

『本当に鋭いよなあ』
炭治郎は改めて、聡い杏寿郎に感心する。


「俺も七瀬を好いています。お2人が恋仲になったとは言え、引き下がるつもりは全くありません」

「うん、杏寿郎はそう言うと思っていたよ」


これもまた予想通りの継子の返答。炭治郎は苦笑いするばかりだ。


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