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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥



「ごめん……試すような事して。大の男が情けないよなー……」


七瀬を抱きしめていた両腕を外し、はあ…とため息をつく炭治郎。そして自分のおでこをこつん、と目の前の彼女のそれにあてた。


「まあ要はそれだけ君が好きって事なんだけど……呆れたよな?」

七瀬の両頬がそっと包まれ、また1つ唇に口付けが届く。
顔を離せば互いの顔には笑顔が、そしてそんな2人の間に流れるのは甘く穏やかな空気。


「いえ、私はその…嬉しかったです」
「えっ、そうなのか?さっきのあれが?」
「はい……」


いつも稽古中の炭治郎は厳しい。杏寿郎はあまり怒られないのに、どうして自分はいつも怒られるのか。
だから嫌われていると思った。

七瀬が正直に炭治郎に伝えると……


「それは七瀬にもっと強くなってほしいから。もちろん杏寿郎に対しても同じように思っているよ。でも君は剣を交えると弱気になってしまう。だから叱咤のつもりで指導していたんだけど、嫌われているって思われてたのは俺も少し反省だな」

ふう、と深く息を吐いた炭治郎は「でも稽古は厳しくいく」と発言する。どうやらここは譲れないようだ。


「ふふ、わかりました。じゃあ今まで通りでお願いします。厳しい理由がわかったから、これからまた頑張れそうです」


了解、と一言呟いた炭治郎は恋仲となった七瀬を、また抱きしめる。
そうして任務の準備時間になるまで、2人は恋人の時間を堪能した。







それから1週間経ち、杏寿郎の厨(くりや)出入り禁止令が解けた。

「師範、私は汁物に取り掛かりますね」
「うん、頼む」

早朝稽古が終了後、炭治郎と七瀬は朝食を2人で作っていた。日柱邸のいつもの様子である。



『やはり……雰囲気が違う』


杏寿郎は手ぬぐいを首にまき、2人の様子を厨の入り口で見ていた。それ以上足は進めていない。
厨への出入り禁止は解かれたが、調理中の出入りはまだ禁じられている為だ。



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