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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥



〜炭治郎と一緒に食べるぷりん〜



「師範、七瀬です。入ってもよろしいですか?」
「いいよ」

失礼します…と声をかけて継子は襖を開ける。そして彼の元に歩みを進めた。
文机の前に腰掛けていた炭治郎は、彼女に体を向ける。それと同時に込み上げて来るのは、溢れんばかりの嬉しさだ。


今は夕方前 ——

夕餉の準備を大方終わらせた2人。互いにぷりんを試食してみよう!……と意見が合致した。
杏寿郎は既に任務に出かけてしまい、留守にしている。


昼の件もあり、2人は彼がいない所で先に食べても良いのかどうか…と、やや思う所はあった。
しかし —— 【試食だから】と言う言い訳のようなそうでないような理由をつけ、決行する事を決めた。


おぼんに乗っているのは1つのアルミ容器に入ったぷりんと、2つの小皿と匙、それから2つの湯呑みだ。


「ほろ苦い味を持って来ました。でも砂糖が入っているから、甘さ控えめと言った方が良いかもしれませんね」

「そうだね、じゃ早速食べようか。任務もあるし」

了承の返事をした七瀬は、2つの小皿にぷりんの量が均等になるように匙で移した。
いただきます、と両手を合わせて一緒に食べ始める。




それから5分後……

「1個を2人で食べたから、あっという間に食べ終わっちゃいましたね。でも杏寿郎がいたらきっと一瞬で……」

「七瀬」

「え、はい…」

普段あまり聞く事がない炭治郎の声色だった。それにトゲのような物を感じた七瀬は一瞬だけ、背筋がピシッと引き締まり思わず正座をしてしまう。


「俺と2人でいる時に杏寿郎の名前を出されると、結構キツイんだけど……胸がざわざわする」

「え、それって……どう言う?」

「わからないかぁ……じゃあ教えるね」








“こう言う事”———

瞬間、七瀬の顎がくいっと掴まれる。そしてふっくらとした桃色の唇を炭治郎の唇が優しくさらった。


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