恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第14章 夏の青天に手を伸ばす / 🔥
うーーん。
額に手を当てて一生懸命考えてみる。ヨーロッパのどこか、だと言う事しか思い浮かべれない。
「すみません、先生。何かヒント頂けませんか?」
「む?ちゃんと考えてみたか?」
「ヨーロッパだと言うのはわかるんですが」
「合っているな。良いだろう」
先生が顎に手を当てて目を瞑っている。しばらくすると、ぱちっと大きな目が開いた。
「マカロンが有名だな」
私はふふっと笑ってしまった。先生、本当優しい。
「フランスです。確かパリでしたっけ?」
「正解!簡単にしすぎたな」
先生が左腕の腕時計をみた。
「よし、補講は終いだ。お疲れさま」
「ありがとうございました」
通学カバンに教科書類を入れていると、彼が私の席までやって来た。
ジッ……と赤い2つの瞳が、私を見つめて来る。
いつまで経っても慣れる事がない眼差し。整った顔立ちがまた輪をかけてそれを増幅させる。
ここからは先生と生徒じゃなくて……