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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第14章 夏の青天に手を伸ばす / 🔥



「……であるからして…」

背がスラリと高い金髪の先生が黒板に向かって板書をしている。半袖シャツに赤いネクタイ。腕時計は、確かブランド物。

左に視線をやれば、教室の外から聞こえて来るアブラゼミの鳴き声。
ジージー……と言う音が耳に入ると、エアコンが効いている室内でも途端に体が熱くなるような気がした。


今、私は1人で煉獄先生の歴史の授業を受けている。


何故1人かと言うと —— 先日体調を崩して休んだ日に小テストがあり、その代替えとして補講をやってもらっている為。
突然、騎馬戦が始まる時もあるけど、先生の授業はとてもわかりやすく、面白く、そして生徒みんな歴史に詳しい。


なのでクラス全体の平均点が高く、常に85点以上。すごい数字だと思う。
私も85点から90点が取れる唯一の教科だったりする。たまに100点も取れたり…


「沢渡、2024年に一万円札の紙幣になる人物は誰だ?」

板書が終わったらしく、先生が私にそう声をかける。
新一万円……今年2021年の大河ドラマの主人公だよね。


「渋沢栄一です」
「うむ、正解だ」

では……と先生が続ける。


「栄一は幕臣になった時に、ある国に出向くな。どこかわかるか?」


んん、どこだったっけ??


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