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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥



「師範のご飯って本当に美味しいから、私いつも楽しみなんですよ〜」

「俺もです!自分はどうしても上手く作れず申し訳ないばかりなのですが……」

「杏寿郎、気にしなくて大丈夫だよ」


炭治郎はややしょんぼりとした表情の継子を笑顔で励ました。
剣技は見張る物がある杏寿郎。だが、炊事はからっきしだ。本人にやる気はある。しかし、いつも失敗をしてしまうのだ。


「そうだよ〜師範の言う通り!杏寿郎は盛り付けるのがとても上手だから、そこは誇って良いと思うな」

「そ、そうか?」

「うん!いつも美味しそうに配膳してくれるから、食べすぎちゃって大変……」

ぽっと頬を染める杏寿郎はとても嬉しそうだ。何故なら彼は七瀬に思いを寄せている為である。


『わあ……杏寿郎から恋慕のにおいだ。俺もうかうかしてられないな』

そして炭治郎もまた七瀬に密かな思いを寄せている。
師範は継子同士の仲の良さを微笑ましく感じつつも、距離が近すぎるのではないか?と常に思案している。

因みに七瀬は男子2人から思いを寄せられている事に全く気づいていない。
好きな相手はいるが、まだまだ10代半ばの少女。
自分に向けられている思いを察知する事は難しいようだ。


座卓に並べられた料理の数々。
本日の献立はさつまいもの天ぷら、タラの芽の天ぷら、小松菜のおひたし、豆腐の味噌汁、白飯だ。

さつまいもは杏寿郎の、タラの芽は炭治郎の好物である。


「む?七瀬の好物はないのか?うまい!わっしょい!」

昼餉を物凄い速さで食べている杏寿郎だが、その食べ方は品が良い。


「ありがとう。甘味を昨日買って来たから、この後で出すよ」

「そうか!」と安心した杏寿郎は、ズズズっと味噌汁を飲み干し、おかわりを元気よく求めた。


いつもの日柱邸での出来事 ——— である。

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