恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第48章 両手に炎 〜日柱ver.〜 / 🎴・🔥
カン、カン ——
ここはとある柱の屋敷だ。
広い庭で15〜16歳と思われる少年と少女が木刀を持ち、手合わせをしている。
それを見守っているのは2人の師範である竈門炭治郎。緑の市松模様の羽織を隊服の上に着用し、腰まで伸びた赤みがかった黒髪。それを頭の上で1つに結んでいる。
年齢は20歳。青年と評される歳だ。
「踏み込みが良いね、杏寿郎!その感覚を忘れずに続けてみて。それから七瀬は杏寿郎の剣圧を恐れない!あまり怖がっていると、あっと言う間に鬼にやられるよ!頑張って!」
「はい、師範!ありがとうございます!」
「はい、すみません……頑張ります」
炭治郎は縁側から2人の継子の様子を見ながら、長所と短所を伝えていく。
少年の名前は煉獄杏寿郎。
使用呼吸は炎の呼吸である。炭治郎の日の呼吸とは違うが、合同任務の際に杏寿郎の剣才を感じた師範は、彼を継子に誘った。杏寿郎は2つ返事で了承し、次の日から住み込みで炭治郎の指導を受けている。
そしてもう1人の継子の名前は沢渡七瀬。
彼女は炭治郎と同じ日の呼吸を使う。七瀬は以前から日柱の彼に純粋な憧れの感情を持っており、こちらは合同任務の際に自ら志願した。
炭治郎は驚いた。
しかしその物怖じしない心と、願ってもいない日の呼吸の使い手。
そんな理由から彼は七瀬の希望を了承した。
「よし、2人共ここまでにしよう!お疲れさま!今日は俺が昼飯作ったからみんなで食べよう」
「ありがとうございました!」と2人は互いに礼をし、木刀をしまいに行く。それから嬉しそうに縁側に駆け寄って来た。
七瀬も杏寿郎も満面の笑顔である。