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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第47章 B1のサンライズ / 🔥



「そうなのか?」
「はい……高校生になってからは1つの場所に定住していますけど、それまでは転入転出を10回はしましたね」


長くいれても1年から1年半。父は脱サラするまで金融系の仕事をしていた。
友達が出来た。
そう思い、これから仲を深めようとすると転校の時期になる。

小学生の内は特に辛くて、何度も両親に泣きついた。
その度に「ごめんね」と謝る母親。単身赴任をすると言う案も出たそうだけど、私や姉と過ごせないのは寂しいと父が訴えた為、それは叶わなかった。


「父は私達子供が大好きだったんだなあと今ならよくわかるんですけど、当時はお父さんなんて嫌いだ!って酷い事も言いました」

グラスが空になった為、梅酒ロックを注文しようとするとやんわりと煉獄さんが訂正した。


「まだ飲めますよ?」
「ダメだ!君のその言葉はあてにならない。ウーロン茶にしておきなさい」

優しく嗜められるって良い物だな。マスターが私の前に焦茶色の飲み物を置くと「優しい彼だね」とにっこり笑って言って来た。


「………ありがとうございます」

何故この時の私は否定しなかったのか。
右横に座っている煉獄さんも意外に思ったようで、大きな瞳を見開いていたのが何だかかわいかった。









あれからウーロン茶を一杯だけ飲んだ後、彼に帰るぞ…と促されたので今は店の外に出た所。
支払いも煉獄さんが当たり前のようにしてしまった。


「今日は誘って頂いてありがとうございます。ご馳走様さまでした。それから……煉獄さんと話してたらスッキリしました」

「であれば良かった」

ふわっと大きな掌が私の頭頂部に乗せられた。ドキドキと少しずつ高まっていく胸の鼓動。


「どうしたんですか?」
顔は赤くなってないだろうか。大丈夫だろうか。


「いや……君は先程マスターに否定しなかっただろう?このまま勘違いをしていても良いのかと思ってな」


“何の事ですか?”と聞き返す程、子供ではないつもりだ。


「沢渡さん、俺はもう少し君と共に過ごしたい」
「えっ……」



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