恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第47章 B1のサンライズ / 🔥
「負けたから悔しいのはわかりますけど…あんなに酷く言わなくても良いと思います」
「そうだな!しかし村田くんの言う通り、残念ながらそれも含めてプロだ」
仕事終わりの煉獄さんと落ち合い、カジュアルな雰囲気のカフェにやって来た。このお店は酒類の提供もしている。
カウンター席に並んで座った私達。自分は梅酒ロックを、彼は芋焼酎を注文した。
「君の部署も掲載している飲食店の情報に間違いがあったら、指摘されるだろう?それと大元は一緒だと思うぞ」
んー……そうか。
ゴクンと梅酒を一口飲んだ。冷たさが喉を通り抜けていくと、いくぶんか気持ちは落ち着いた。
「まだ後1試合ある!諦めるのは早いぞ!」
「でも煉獄さん、スペインって日本に勝ったコスタリカから7点取ったんですよね?素人目に考えても、かなり厳しいなあって印象なんですが……」
「しかし勝負と言う物はやってみないとわからん!」
彼はそう言うと、おつまみのスナックをぽりぽりと食べ始めた。私もそれに倣い、小皿に乗せられたクラッカーを1つ口に入れる。
「所でうちの部署はどうだ??何か困っている事はないか?」
「お陰様で、みなさんに良くして貰っています。伊黒さんも最初はちょっと怖かったけど…煉獄さんの言う通り、悪い人ではなかったです!」
『ほう、最初のチェックにしてはきちんと出来ているな。だが走り書きが酷い。ここは校閲部!原稿の間違いを発見する部署でもあるが、訂正箇所の指示はもう少しわかりやすく記せ。誰が見ても把握出来るようにするのが基本だ』
2日前の金曜日。
冨岡先生の原稿のチェックが終わり、念の為伊黒さんに確認してもらった時に言われた言葉だ。
「そうだろう?彼はああ見えて頼るときちんと応えてくれるからな。ややネチネチしている部分はあるが、指導は丁寧だぞ」
伊黒さんの事を話す時の煉獄さんはどこか嬉しそうだった。幼少期の頃からの付き合い……と聞いて納得した。
「いいですね、幼馴染って。私は転勤一家だったから……そう言う存在がいる方が、とても羨ましいです」