恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第47章 B1のサンライズ / 🔥
「思った通り、沢渡さんは愛いな!」
愛い?愛いって何?瞬きの数が多くなった私を見ながら、煉獄さんは「かわいいと言う意味だ」と再び恥ずかしげもなく私に言って来る。
「あ!また聞きたい事が出来ました!」
「む?今日は残業なしで帰宅するつもりだが……」
違う!煉獄さんの予定を聞きたいんじゃない!そう強めに伝えると、彼は先程よりも残念そうな表情を私に見せて来る。
なんなの、これじゃあ自分が悪いみたいじゃない……。
「あの……ショーツ1枚になったって事は……その……」
この先の言葉は紡げない。恥ずかしすぎる。
「ああ!しかとこの目で見たぞ!」
ああああ。もう!昨日の私のバカ。何で全部脱ぐの……!!
両手を頭の側頭部に当て、ぶんぶんと振った。瞬間 —— くらっと目の前が回り、体がふらついた。
「大事ないか?」
「!!!」
至近距離いっぱいに広がる彼の整った顔。
その見事な体躯からほのかに香る品の良い匂い。それは元カレがつけていた香水と同じ物だった。
ああそうか、だから私この人から離れなかったんだ。
「今日は午後からの出勤で構わないぞ?」
「え、どうして煉獄さんがそんな事言うんですか?」
「君の部署に校閲部からヘルプがかかっただろう。今日から3ヶ月来てほしいと」
「は、はい。どうしてそれを知っているんですか?」
何だか今日は脳内が疑問符で埋め尽くされて、凄く忙しない。
「うむ!そのヘルプ要請をしたのが俺だからだ!」
「え、え、えーーーー!!」
自分の発した声が思いの外、大きかったせいで再び頭痛に襲われる。うう、痛いよう。
こうして、校閲部で過ごす彼との3ヶ月が始まった。