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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第47章 B1のサンライズ / 🔥




「君が以前付き合っていた相手と、どうやら間違えられたようだ!」
「えっ……」

せっかく落ち着いていた自分の心。それが再びざわつき始めた。







1週間前—— 私は一年付き合っていた彼に別れを告げられた。W杯が開催される事でグルメ雑誌部門も多忙になり、彼と会う時間を確保する事が難しくなった。

へとへとで疲れて帰宅して、そのまま寝てしまう事もしょっちゅうだった。

真夜中ハッと目を覚ました時には未読になっているメッセージの数々。こんな時間に返信したら迷惑だ。そんな遠慮をしていると、益々返信しにくくなり、反応が鈍くなった私に彼からの連絡は段々と少なくなっていく一方だった。


何度も「会いたい」と言ってくれた彼。
久しぶりに来たメッセージは「ごめん、好きな子が出来た。今までありがとう」の謝罪。

とても穏やかな人で喧嘩もあまりした事がなかった。それも良くなかったのかな。もっと自分の思いをぶつけていれば……また違った結果になったかもしれない。


そんな事を隣にいる煉獄さんにつらつらと話すと、彼は思いの外真剣に聞いてくれた。


「ごめんなさい、本当に失礼な事をしました。お付き合いされている方にも申し訳ないです」

「む?付き合っている人とは?」


彼は疑問符を浮かべながら私を見る。
気が動転していたせいもあり、今まで意識するまでに至らなかったが、煉獄さんは見惚れてしまうぐらいに顔立ちが整っている男性だった。

何より突然接点がない私に絡まれたと言うのに、突き放す事をしない面倒見の良い人でもある。よってこのタイプに彼女がいないわけがない。


「いや、俺は特に交際している相手はいないぞ?」
「え?そ、そうなんですか??」

彼のこの言葉にぼやけていた思考が、はっきりと鮮明になった。


「以前から気になっている相手はいるがな!」
「やっぱり……」

それはそうだ。彼女がいなくても、好きな人ぐらいいるよね。


「その彼女が思わぬ事態とは言え、こうして隣にいる。昨日の俺は大層運が良かったようだ」

「え……?」

「沢渡七瀬さん、まずは友人からで良い。どうだろう、俺と付き合ってくれないか?」


日本代表が劇的な勝利を迎えた翌朝。私の身にも劇的な事が起こってしまった———

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