恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第46章 狐火の契約 / 🔥✳︎✳︎
「七瀬……すまん」
「杏寿郎さん?どうして謝るの……?」
俺が何に対して謝罪の言葉を口にしたのか、愛らしい妻は全く検討がつかないらしい。
「君と2人だけで過ごす時間だが…思いの他、早く終わるやもしれん」
「え、あ……そう言う……事…」
彼女の顔がぼっと赤く染まる。
目線が下腹部に向かったが、何か思いついたようだ。パッと目を大きくさせ、俺に問うて来た。
「人って、その……子供が出来る確率って言うの?確か一回のその…まじ、わり…につき2割って聞いた事があるのね」
「ふむ」
なるほど、人間はそうなのか、案外低い数字なのだな。
「妖狐は…どうなの?」
「知りたいか?」
うん…と俺を先ほどより凝視した目で見て来る七瀬だ。さて、真実を告げると君はどのような顔をするのか。
「9割だ!」
「えっ??きゅ、9割???」
「ああ、そうだ!!む?七瀬、どうした??」
背中に回っていた両腕が力無く落とされた、と同時に彼女は意識を無くしてしまった。
「よもや。気絶したか」
これは仕方ないな。七瀬の下腹部をちらりと見る。当然だが、そこに膨らみはない。
俺は掌をへその上にあて、ゆっくりと撫でてみた。
果たして自分が2度放った子種は、彼女の中でどんな反応をしているのか。
「もう少し七瀬を独占しておきたいものだが…」
ちう……とへそのすぐ下の部分に口付けを1つ落とした。
「まだ見ぬ君にも会いたくなってしまった。待っているぞ」
もう一度そこをゆっくりと撫でた後、俺は七瀬の体をそっと抱き寄せる。そして自分の尻尾で彼女の小ぶりな尻尾をふわりふわりと撫でた。
この後も俺は本能に勝てず、妻の体に”悪戯”とも言うべき愛撫を至る所に施してしまう。
首、耳、胸、腕、へそ、足の付け根はもちろん、膝、すね。そして足先までもだ。