恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第45章 4年後の茜色へ / 🔥✳︎✳︎
——— 午後15時。
リビングでコーヒーを飲みながら、スマホが鳴るのを今か今かと待っている。ダイニングテーブルには昨日七瀬と買いに行った青色のデルフィニウムが、花瓶に2輪さしてある。
何でも俺の誕生花だと言う事だ。
花言葉は「あなたは幸福をふりまく」
この花は色によって花言葉が変わるようだが、青いデルフィニウムはこう言った意味があるようだ。
そして花の名称はギリシア語で”イルカ”を意味する単語且つ、蕾の形がイルカに似ていることにも由来する。
『杏寿郎さんにいつもたくさん幸せを貰ってるから、私からプレゼントです』
花屋でそう言いながらセレクトしてくれた彼女。愛おしいな、と心から思った。
「幸せを貰っているのは俺も同じだぞ?」と返答すると、えへへと嬉しそうに笑った顔が印象的だった。
ブーブー………
その時、テーブルに置いてあったスマホが震える。画面は”七瀬”の2文字。心待ちにしていた恋人からの連絡だ。
「着いたか?」
「はい、無事に着きました!杏寿郎さんー。予想してたけど、北海道はまだ肌寒いですよー」
「ははは!そうか!君は冷え性だからなあ……」