恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第45章 4年後の茜色へ / 🔥✳︎✳︎
ギシ、ギシ、とセミダブルベッドのスプリングが上下に小刻みに揺れる。七瀬の声がまた甘く、高くなった。
「あ、ん!!、強い……ダメ…」
「くっ…、堪えてくれ……、はあ…」
はあ、はあ、と息遣いが荒くなる2人は、共に瞳の奥に火花が散り出すのを感じていた。
ズン ———!!
杏寿郎の昂った欲が七瀬の最奥を一際強く突いた。
「や、あ、あつ………!」
膣壁の温度がぐわっと燃えるように上昇する。膜越しでもその熱さはしっかりと伝わって来た。
3回程熱く昂った欲が放たれたのち、その熱さを打ちつけた本人は七瀬の顔の横で静かに息を整え始める。
彼の背中と胸にじんわりと汗がたれていた。恋人を受け止めている彼女は湿った背中に掌をあて、労うように撫でた。
「やはり、君の中はとても気持ちいい」
「私も杏寿郎さんを受け止めるのが、気持ちいいです」
杏寿郎は七瀬の唇に小さな口付けを落とすと、自分の昂りをゆっくりと抜いた。そして、手早くコンドームを結ぶ。
「え、多くない、ですか……?」
「……今日にかける熱量故だ!仕方ない」
白い欲で膜内に入った液体は、半分以上を占めていた。
嬉しさと恥ずかしさでまた七瀬は胸がいっぱいになった彼女である。
2人はその後も夜が耽るまで、互いの思いを体で交換し、明け方シャワーを共に浴び、眠りについた。
★
時刻は翌朝の5:10
アラームを設定したスマホが振動するが、持ち主がそれを止める気配はまだない。
『何故こんな早朝に?』
つい1時間半前に寝ついた杏寿郎だが、目覚めが良い彼はぱちっと双眸を見開くと、スマホ画面を確認する。
表示された時刻に笑顔がこぼれた。愛おしい気持ちで、顔のすぐ下にある焦茶色の頭に口付けを落とす。
『全く…いじらしい事をしてくれる』