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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第45章 4年後の茜色へ / 🔥✳︎✳︎





「いただきます!」
リビングにある4人がけのテーブルには朝食が並べられている。
とても2人分とは思えない量が、だ。

買っておいたクロワッサンをトースターで少し焼き、目玉焼きはカリカリに焼いたベーコンと一緒に小皿へ。

それからトマト、レタス、きゅうりのシンプルなサラダが1つは大盛りに盛られており、スープは此方も2つの内の1つはどんぶりに入っている。

これは2人が昨夜一緒に作ったさつまいものポタージュ。
杏寿郎の好物はさつまいも。たくさん食べる故、多めに作った……と言うわけだ。


「ついつい、この組み合わせになってしまって……ごめんなさい。杏寿郎さんは和食がきっとお好みですよね」

七瀬は大きめのマグカップに淹れたコーヒーをずずっと飲みながら、言葉を発する。

実家では和食が確かに多いが、七瀬と付き合うようになり、杏寿郎の母親が洋食にも興味を示すようになった。


『余裕がない日の朝食は、パンが助かりますね』
これが彼の母、瑠火の言い分である。


「そんな事はないぞ!母も君と料理をする機会が増え、洋食も我が家でよく出るようになった。昨日も美味しい洋菓子屋を見つけたと連絡があった」

さつまいものポタージュを早々と、しかし所作よく飲み干した杏寿郎は、クロワッサンをぱくぱく食べている。


「わあ、それとても嬉しいです……」
七瀬は目元を緩ませ、にっこりと笑った。杏寿郎の胸がとくんと気持ちよく跳ねる瞬間だ。


『今月中はこの笑顔をめいいっぱい堪能せねば……』

七瀬は4月から東京を離れる事になった。進学先の大学を北海道に選んだ為だ。




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