恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第43章 見えない艶っぽさを求めて / 🎴✳︎✳︎
やがてプリンも食べ終わり、食器も洗い終わった。
「ねえねえ、今日買った下着見てもらっても良いかな?」
「えっ!!いや、それは……もちろん良いけど……」
かわいい系と大人系、かわいい系と大人系、かわいい系と大人系。こんな言葉達が脳内で3回繰り返された。
さあ、俺の運命や如何に?
「かわいい系は黄色でね、カシュクールデザインの物にしたの」
そう言ってショッピングバッグから取り出したのは、淡い黄色のセットアップだった。
「うん、良いんじゃないか」
カシュクールがどんな物か俺にはイマイチよくわからなかったけど、胸元が着物のように打ち合わせになったデザインの事を言うらしい。
素材はレースだけど、単色だから派手になる事はなく、落ち着いた可愛さと言う店員さんの誘い文句を聞き、購入に踏み切ったとの事。
「それでね、大人系なんだけど……」
「うん……」 『キタ………』
「店員さんがね」
「ああ……」
次の瞬間、俺に本日2度目の卒倒しそうな状況が訪れる。
「せっかくだから着用してみたらどうかって。彼にサプライズしちゃいましょうって……」
“だからもう下に着てるの”
“シタニモウキテルノ”
自分の体中を流れている血液が、沸騰したように熱くなった瞬間だ。
「いいか?」
「うん、大丈夫」
部屋の電気を薄暗くして、そっと七瀬をベッドへと寝かす。
心臓を打つ鼓動が凄まじく速い。
動揺を悟られまいとなけなしの痩せ我慢をしつつ、彼女の衣服を脱がせていく。
一つ脱ぐ度に小さな口付けを贈ると嬉しそうに笑顔を見せてくれる七瀬だった。
「どう……かな……」
トップスもスカートも取り去ると、目の前に姿を表したのは、ワインレッドのセットアップを身につけた恋人がそこにいた。
黄色のセットアップと色違いのようだ。
レース素材だから品がある。
「初めて見た時に、炭治郎の瞳の色に似てるなあって思って…変かな」
はあ………可愛すぎるだろ………。