恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第43章 見えない艶っぽさを求めて / 🎴✳︎✳︎
先程よりも顔を真っ赤に染めた玄弥と俺。
本屋の前で茹で蛸のような表情をした男が2人。一体俺達は何をしているのだろうか。
「…………った、これで良いか?ったく何言わせんだ……」
「玄弥!ありがとう!」
「じゃーな」と右手を軽く上げた彼が本来の目的地である本屋に足を進めた所で、七瀬からのメッセージが届いた。
「すぐ行く」と返信をした俺は、再びランジェリーショップに向かって足を進める。
「お待たせしてごめんね。店員さんと話が予想以上に盛り上がっちゃって………」
どうやら2着買ったらしい。かわいい系と大人系と言う事だ。
この瞬間、またも俺の脳内に果てしない妄想が海のように広がりそうになったが、何とか思いとどまった。
耐えろ、炭治郎!男なら!!……ってこれに似たような事を確か錆兎が言ってたなあ。
その後はもう一度上のフロアにある本屋に行き、目当ての本を探しに行くが、正直七瀬がどんな色の下着を買ったかで頭がいっぱいだった為、全く関係ない本を買ってしまった。
「初めてでも失敗しないパン作り」
パン屋の息子がパン作りのレシピ本を買ったなんて、本末転倒も良い所だ。
これは七瀬に譲ろう。パン大好きだし。
そんな紆余曲折の出来事があり、俺は恋人と一緒に彼女のコーポに向かったのだった。
「んー!お腹いっぱい!ご馳走様でした。本当炭治郎が作る料理は絶品だね」
夕食を食べ終わった。
「どういたしまして」と返事を返した俺は、おかわりの有無を彼女に聞き、キッチンへ向かう。
今夜は洋食を作った。
オムライス、コンソメスープ、ポテトサラダだ。
因みにデザートは洋菓子店で購入したプリンである。
夕食を作りは殆どが俺の担当だ。
「自分も料理は頑張っているけど、炭治郎には敵わないんだよね」
これは謙遜だ。七瀬の料理も凄く美味しい。