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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第42章 大正、令和、時を駆ける〜ヒノカミ〜② / 🎴


「そうか!甘露寺は先の世でも優秀なのだな。喜ばしい事だ」

自分の隊服は蜜璃さんの手作りだと煉獄さんに伝えると、本当に嬉しそうに顔を綻ばせた。

「皆さん、時代は変わっても基本的にはそのままですよ」

“お母さんも存命だし、お父さんとも仲良くしている”

これはあえて伝えなかった。大正時代の煉獄家は令和とは違い、色々と複雑だからだ。きっとそれを経た上での円満だと私は思う。

「………そうか」

煉獄さんは一瞬だけ思案した表情を見せたが、本当にそれは瞬く間の出来事。
すぐにいつも通りの快活な笑顔を見せてくれた。




「では沢渡少女。息災で過ごせ。未来で出会える事、楽しみにしている!!」

この日も私達3人は煉獄さんにご馳走になり、お礼を伝えた後にそう言われた。

炭治郎と善逸には「また任務で」と声をかけ、笑門来福の扉をガラガラと閉める。

そうして彼は炎の羽織を颯爽と翻して、私達とは反対側の方向へ歩いて行った。


「煉獄さん、相変わらず気前良かったね〜。俺もうお腹はち切れそう」

ぽんぽんと自分の腹部を右掌で当てた善逸は、昨日と同じく今日も鰻重を食べた。

2日連続で鰻。精がつきそうだけど、私は胸焼けがするかもしれない。


「七瀬どうする?俺、今日は単独任務が入っててさ。そろそろ行かなきゃいけないんだ」

私を見つめながら申し訳なさそうに言ってくる炭治郎。

「そっか、気をつけて行って来てね。善逸はこの後の予定は?」

「俺、カナヲちゃんと任務なんだよ。ほとんど話した事ないからどうしたら良いのかちょっと心配でさ……」

……カナヲか。
確かに令和でも口数は多くはないけど、その分一言一言には重みがある。

「大丈夫だよ。カナヲとっても良い子だから」

「そ、そう?七瀬ちゃんがそんな風に言ってくれるなら頑張るよ、俺!」

うんうん、その意気だよ。善逸……!



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