恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第11章 誰にも言えない2人だけの誓い / 🔥✳︎✳︎
「聞かないで。恥ずかしい……」
七瀬は口元を手で抑えると、俺から目を逸らして答えた。
聞くなと言われると聞きたくなるのは何故なのか…?
「ダメだ。君の口から聞きたい」
「杏寿郎の意地悪……」
意地悪、か。
何とでも言ってくれ。彼女の顔を掌に包んで、自分の方に向ける。
「もう一度聞くぞ……どうだった?」
「……った……」
「ん?よく聞こえないのだが……」
「凄く良かった……!」
もう!……と不機嫌と恥ずかしさを隠し切れない。
そんな表情を見られたくないのか、顔をまた横に向けてしまった。
七瀬は本当にかわいらしいな。ちゅっ……と彼女に口付けを落とすと急に耐えがたい衝動が体を襲った。
やはり……。
「すまない。今日も血をもらっても良いか?」
「……欲しいの?」
「ああ。君に触れるとどうしてもこうなってしまう」
「良いけど……あまり痛くしないでね?」
「うむ。心がける」
七瀬が目を閉じる。彼女の形のよい小さな唇にそっと牙を立てて、少しだけ血を滲ませる。その後は舌で丁寧に舐め取った。
「ん……」