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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第39章 雪嵐は春の訪れと共に / 🔥


『すげぇ威圧感だ。上段の構えか……下手に間合いに入れねぇな』

紗雪は杏寿郎に圧倒されていた。彼女は柱と対峙するのはこれが初めてである。そして上段の構えの剣士と勝負するのも初めてである。

『でも動かなきゃ、一本は取れねえ……行くしか』
「ねえっ!! 」

ダン……!と力強い踏み込みで一気に杏寿郎の間合いに入る紗雪。

「炎の呼吸・壱ノ型」
「しらぬ ——— うわっ!!」

彼女の木刀から横一閃に薙ぐ炎。しかし杏寿郎から振り下ろされた強烈な一撃がそれを打ち落とす。

『何て腕力だよ!師範より重いんじゃないか、この太刀……しかも呼吸なしかよ』

カン——
紗雪はそれでも怯まず、まずは杏寿郎の木刀に自分の木刀を当てた。

カン、カン、カン、と打ち合いを2人は続ける。


『威力も凄いが、この正確な太刀筋……』



“杏寿郎さんはね、力と技術の釣り合いが良いのはもちろん、身体の動かし方がとにかく上手だよ。相手の力を見極める判断力にも長けている。私は試合運びを瞬時に見破られて、一撃入れられる事がしょっちゅうなんだ”

七瀬の言葉が頭をよぎった時———


「確かに女子にしては力強い太刀だが、基礎はまだまだ—」

「っと!!」
紗雪の木刀が素早く弾かれたかと思うと、続けざまに鋭い突きが彼女を襲う。


「肆ノ型 —— 盛炎のうねり」
咄嗟に木刀を渦を描くように回して翻す。

『なんだよ!まだ始まって5分も経ってねえのに……もうあたしの戦法を把握してんのかよ……』


“何度も言うように基礎が最も大切だ。基礎から技が繰り出され、応用に繋がる”


勝喜の元から巣立つ際—-自分の言葉遣いと共に「基礎の大切さ」も口酸っぱく言われた。

紗雪はその言葉の重みをこれから杏寿郎と剣を交える事で、嫌と言う程味わう事になる。

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