恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第37章 Dear 何年後かの私達へ / 🎴
文化祭から1週間経った。
「よし!今日の授業は終わりだ。みんなの歌詞楽しみにしてるぞー」
「はーい!」
教室中が一致団結したかのように、生徒全員の返事が完璧に揃う。
向井先生が現代国語の授業を終えて教室から出ていくと、クラスメイト達が近くの席の生徒と思い思いに話し出した。
「先生が文化祭で歌ってた歌、めちゃくちゃ良かったよね」
「楽器隊の先生達の演奏もかっこよかった〜!」
先程の授業でクラス中から称賛の声を受けた先生は、私達生徒に歌詞の検証ではなく、作詞をしてみたらどうだ?と提案してくれた。
“文字数とか 言葉の並び、韻の踏み方とか、そう言うセオリーはとりあえず置いてさ。自由に綴った物で構わない。みんなの思い聞かせてくれ”
……と言う事で、私もまだノートを机の上に広げたままの状態。
シャーペンを右手でくるくると回しながら、思考を巡らしている所だ。
「あー!この続きが思い浮かばないな…。本当作詞って難しい」
私の左隣には、同じく右手に持っているシャーペンをくるくると回しながらぼやいている炭治郎がいる。
「先生達の結婚式でやってた曲の歌詞を追加だっけ?」
「そ!あの時は1番だけしか歌わなかったからさ。完成させようと思って……」
確かタイトルは”Two of us” 日本語に訳すと「私達2人」だ。
歌詞は良かったんだよね。彼女の私から聞いても贔屓目なしに。
文化祭で、ハイカラバンカラデモクラシーも演奏はした。実行委員会のメンバーであるしのぶ先輩、アオイ先輩、中等部からは煉獄先生の弟さんである千寿郎くんの3人。
この面々が各方面に通達を事前に流したお陰で、被害は最小限に留まった。
救急車が学校に呼ばれなかった。これだけで対策は大成功と言えるだろう。