恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第37章 Dear 何年後かの私達へ / 🎴
「覚えてたんだ…」
大正の時代。私と炭治郎は鬼殺隊と言う鬼を狩る、政府非公認の組織に所属していた。
先程の会話は隊士時代に彼と話した会話だ。
「七瀬と話した事、全部ここに残ってるぞ」
彼は右手人差し指で、自分の心臓をトントン…と軽く突く。この行為に一瞬ドキッと胸が高鳴ってしまう。
………同い年の私達だけど、炭治郎は時々とても大人っぽく感じてしまう時がある。今のもそう言う瞬間の1つだ。
♪ピンポンパンポーン♪
「宇髄だ。1年筍組の竈門炭治郎、我妻善逸、並びに嘴平伊之助。至急職員室に来い……繰り返す…」
「炭治郎、宇髄先生から呼び出しって……また課題出し忘れたとか??」
「いや……今回はきちんと出したんだけどな。善逸と伊之助も同時に呼び出しって何だろう?」
彼はうーんと唸りながら首を傾げるが、行って来る……と私に言うと、現国の教科書を目の前に立てて早弁しようとしていた伊之助を諌め、教室を後にした。
“宇髄先生、炭治郎、善逸、伊之助”
4人が一堂に集まる理由は1つしかないのだけど、私は向井先生から出された宿題の最終確認でそこまで頭が回らなかった。
—— 10分後、炭治郎からその話を聞いた私は何度も寒気がしてしまい、半年先、自分が無事に生きているかどうかの心配を真剣にする事になる。