恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第36章 未来の青写真〜早春〜 / 🔥
「あ、そうそう。今日アオイちゃんからカナエ先生が向井先生と結婚すると聞きましたよ」
「早いな、俺も昨日2人から聞いた所だ」
「先生達は美男美女で本当お似合いでしょう?だから、男子も女子も知った途端に学校休む人たくさん出るねーなんて話しました」
「……そうかもしれないな」
杏寿郎は回されてない方の左手で、七瀬の頭をよしよしと撫でる。
「杏寿郎さんは結婚願望ってあるんですか?」
「ん?俺か?ないと言う事はないぞ。人並みだな」
そして七瀬は瞳を輝かせながら、こう続けた。
「私、杏寿郎さんのお嫁さんになりたいです!」
「ははは、そうか!嬉しいな」
杏寿郎は再び七瀬の頭を撫でる。
「だが、それは高校を卒業してからだ」
「はい、もちろん。ちゃんと卒業しますよ」
2人は笑顔を交わす。そうしてじっと見つめ合った後、呼び合うように柔らかいキスをした。
「誓いのキス…感動するんでしょうね」
「ほう、七瀬はチャペル派なのか?」
後ろから七瀬を包み込むように抱きしめると、杏寿郎は自分の左頬をピタッと彼女の右頬にくっつける。
「チャペルも良いです。けど神前も人前も憧れちゃいますね。着物もドレスも着てみたいです」
「君は欲張りだな」
「だってどっちも素敵ですもん。杏寿郎さんは和装が1番似合うのかなあと思います。大正のイメージが強いのかもしれません」
「それを言うなら、俺も君は着物のイメージが強いぞ?」
彼は更に七瀬を抱きしめ、今の今までくっつけていた彼女の頬に一つキスを落とした。