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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第35章 He is neat ?/ 🌊



ピンポン、ピンポン——
ふじかさねマートのバイトに今日も入っている。時刻は7時を回った所だ。私の思い人がもう少しするとやって来る。


本日は2月8日。彼…冨岡さんの誕生日と言う事らしい。ひょっとこ焼きを皆さんが食べに来た先週金曜日、それを教えてもらった。

7時5分……。ピンポン、ピンポン———
青ジャージの彼が来店した。

「おはよう」
「おはようございます、いらっしゃいませ」


お店に来て以来、冨岡さんは私を見ると挨拶をしてくれるようになった。これがもう飛び上がる程嬉しくて、挨拶の度に心が浮かれてしまう。

そしてこれだけでは済まず、口元もだらしなくにやけてしまう為、1人百面相のような状態になってしまう。

接客をしながら、間接視野(※1)を駆使して彼の動向を追う。
鮭むすび、塩むすび、ぶどうパン。そしてほうじ茶をオレンジのカゴに入れる。

冨岡さんが毎回買う商品だ。これが揺らぐ事は今の所ない。

彼が前から4番目に並ぶ。1人終わり、2人終わり、冨岡さんの番だ。商品をバーコードリーダーで読み取って行く。


あれ、今日はそうなんだ……。
全部の商品を読み取ると、レジのタッチパネルに表示されたのは888円。

いつも通り、彼は財布から千円札を一枚抜き出して”現金”の表示を押して支払いを済ませていく。

「おめでとうございます!末広がりですね。今日は良い1日になりますよ」
商品をポリ袋に入れた後、私は顔を綻ばせながら、彼にそう伝えた。







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※1…… 直接物を見るのではなく、ボヤっと見る事。サッカー、バスケでよく使用されます。

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