恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第33章 狐に嫁入り? ② / 🔥
「あ、杏寿郎さん。あれってさつまいも??」
野菜が店先に並んでいる八百屋のようなお店が目に入り、彼に質問をするとそうだ!と即答の返事。
寄りたい旨を伝えると、快く了承してくれた杏寿郎さんと一緒にお店に立ち寄る。
「いらっしゃい。お!ねえちゃん、見かけない妖狐だな!新顔か?…と!杏寿郎様じゃないですか!いかがされました?」
ハキハキと話すお兄さんは私の隣にいる杏寿郎さんを確認すると、恭しく頭を下げる。やっぱりここでもお兄さんと杏寿郎さんの間に距離を感じない。
「ああ、紹介しよう。俺が伴侶に…と考えている娘だ」
「へえ!でしたら未来の奥方ですか!…と言う事はもしかして?」
「察しの通りだ。まだ内密に頼むぞ」
右手人差し指を口元に当てて、お願いする彼。
「かしこまりました!勿論です。教えて頂き、ありがとうございます。して今日は何をお求めで??…ああ、なるほど。さつまいもですか……はい、はい」
お兄さんと杏寿郎さんは互いに確認しあったかと思うと、さつまいもを20本!ほど手早く新聞紙のような紙にくるくると巻いた後に麻袋に入れてくれた。
「お待たせしました!どうぞ」
ありがとう…と八百屋のお兄さんにお礼を伝えた彼は銅貨のようなお金を渡して、また来る!と言ってお店を後にする。
何だろう?こちらの世界のお金かな??
私は疑問に思いつつも、慌てて頭を下げながらお礼を伝えて、やや急ぎ足で杏寿郎さんを追いかけた。
それから甘味処、食事処、呉服屋…と案内され、面白いなあと思ったのが指圧屋さんだ。何でも尻尾周りが凝る狐さん達が多いようで、なかなか繁盛している様子。
煉獄家に帰宅して瑠火さんに伝えると、面白いお店はその指圧屋さんの事だったようで、彼女もたまに利用していると言っていた。