恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第33章 狐に嫁入り? ② / 🔥
「そう言えば……」
杏寿郎さんが何かを思い出したように、閉じていた目をカッと見開く。
「兄上?どうされました?」
千寿郎くんが小狐姿の杏寿郎さんを腕の中に抱き上げる。
か、か、かわいい……。
萌えるってこういう時に使う言葉だよね??私は2人のその姿に再度、胸がキュンとなってしまった。
「ああ、すまんな。千寿郎。七瀬、少し確認したい事がある。俺を千寿郎がしているように、抱き上げてもらえないか?」
「え……いいの??」
実はずーっとその小狐姿を見た時からやってみたいと思ってたんだよね。
じゃあ……と千寿郎くんから小狐の杏寿郎さんを受け取る。
ふわっと尻尾が胸に当たって少しくすぐったいけど、抱き心地がとてもよくて思わずギュッ…と抱きしめてしまった。
「む……!」
「かわいい…」
するとその拍子に彼の鼻が私の右頬にちょん、と当たった。
「ボンッ!!」
「わあ!何?」
再び自分の目の前に広がる白煙。
「あれ?狐の杏寿郎さんがいない…って、何で??」
「やはりそうだったか!」
自分の腕の中にいた杏寿郎さんは人の姿に戻っており、私は彼の太ももの上に横向きに座るような状態になっていた。
「七瀬。君の顔に触れるとすぐに戻れるようだ」
「え?私の顔??」
ああ!と彼は大きな掌をポンと私の頭に乗せる。