恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第33章 狐に嫁入り? ② / 🔥
槇寿郎さんが言う気になる事、と言うのは私の幼馴染である素山狛治だ。
彼とは幼稚園から高校まで一緒。そして実家同士も近所で両親達も仲が良い。狛治は空手が得意なので体育大学に今は通っている。
一見何も問題ないように思えるのだけど、狛治の家は代々陰陽師の家系で、彼は次期当主になる予定である。
これが煉獄家にとっては非常に都合が悪いようだ。
何故なら陰陽師の素山家と妖狐の煉獄家は、古の時代より敵対しているから。
『二代に一度…恒例のように争っていてなあ。俺達は「嫁入り合戦」と呼んでいるんだが。杏寿郎の代が丁度その世代なんだ』
前回は杏寿郎さんのお祖父さんに当たる人が勝利し、その後に槇寿郎さんが生まれたらしい。ちなみに勝敗は五分五分との事。
『巡り合わせと言うのか、嫁候補の娘の近くには必ず素山の人間が存在しており、毎回このような事態になるようだ。そこでだ!七瀬さんに確認したい事もあるから、一度こちらに来て欲しいのだが……』
え、行っても良いんだ!私も色々聞きたい事があるから、確かにありがたい申し出ではあるけど……
「父上はこう言われているが、君の気持ちはどうだ?俺は七瀬の思いを大事にしたい」
うーん…と私がどうしようか迷っていたら、杏寿郎さんがそんな風に言ってくれた。